救命士や看護師 救急現場の実情語る

2006.09.10
丹波の地域医療特集

「輪番」など意見交換

 丹波市消防本部で七日、 救急業務担当者の意見交換会があり、 丹波、 篠山両市消防本部の救急救命士、 救急告知病院の県立柏原、 柏原赤十字、 大塚の三病院の看護師ら実務に携わっているスタッフが、 医師不足によって生じた問題点や、 日常の業務で気づいた改善点などを出し合った。
 丹波市消防本部は、 病院群輪番制について、 「当番病院以外に受け入れを打診すると、 当番病院に行けと言われる。 当番病院に連絡したら当直医の専門科目外と言われることもある」 と、 医師不足で苦慮している現状を報告した。 看護師側は、 「これまでのように何でも受け入れることは難しい」 「当直医の判断にゆだねている」 「かかりつけでない患者の搬送が増えてきた」 と実情を話した。
 また、 看護師側は消防本部に 「休診中の科目の患者を連れて来られても診られない」 と、 症状に合った適切な病院を選ぶ能力を救命士が高めること、 消防本部が求めている転院搬送の際の医師や看護師の救急車への同乗を市内の場合は必須とせず、 ケースバイケースで対応することなどを求めた。
 さらに、 看護師から 「当直医の診療科が重なっていることがある。 行政、 院長らで話し合ってもらって、 できれば調整してほしい」 と、 少ない医療資源を効率的に使うことを求める意見も出された。
 意見交換会は、 顔つなぎをし、 現場での対応をスムーズにしたり、 実務者レベルで改善できる問題を改善するために、 二十年以上前から毎年開かれている。

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