今年の丹波篠山ビデオ大賞コンテスト(5日、四季の森生涯学習センター)は例年以上に粒よりの作品が集まり、充実した大会だった。

2006.12.27
丹波春秋

今年の丹波篠山ビデオ大賞コンテスト(5日、四季の森生涯学習センター)は例年以上に粒よりの作品が集まり、充実した大会だった。▼大賞の「丹波篠山くろまめカレンダー」(小前みどりさん)は、早春の種まきから晩秋の刈り取りまで根気よく成長過程を追い、一般には目に触れにくい黒豆の生態の映像が新鮮。農家の苦労ぶりもよく伝わった。▼市長賞の「トイレ探検隊」(阪下千代美さん)は、篠山城三ノ丸広場などのトイレに光を当てた。掃除の女性から「最初は人と顔を合わせるのが恥ずかしかったが、今では楽しい」という言葉を引き出し、また公衆マナーへの啓発にもなっていた。▼県知事賞「この街をふるさとに」は、川崎市郊外の新興住宅地で新住民を巻き込んだ壮大なとんど焼きが続けられているという話。作者の馬場英顕さん(横浜市)は篠山の出身で、現地の学校の先生だが、愛郷心を忘れないでいてこそ発掘できると思わせる話だった。▼全国公募の同コンテストは、ベテランの遠来の作者が上位を独占する年もあったが、回を重ねるにつれ、地元のレベルが着実に上がっている。「観客も少ないし、予算をつぎ込む価値があるのか」と市議会で問題にされたこともあったそうだが、今回は客席もぎっしり埋まり、工夫が感じられた。これからも一層の努力を期待する。(E)

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