全国シルバー合唱コンクールで、筆者も属するシルバーエコーささやまが出場43チームの頂点に立つ金賞を獲得した。

2006.12.19
丹波春秋

全国シルバー合唱コンクールで、筆者も属するシルバーエコーささやまが出場43チームの頂点に立つ金賞を獲得した。総勢60余名。平均年齢74歳で最高齢90歳以上という彼、彼女らのパワーには、いつもたじたじとさせられる。▼コーラスと言うと、「品よくまとまりきれいに歌う」のが良しとされがちだが、「ささやま」は少し違う。特徴は、何と言っても衣装と振り付けだ。歌は暗譜。今年のロシア民謡では、女性はマトリューシカ人形のような民族服、男性はコサック服をまとい、舞台を縦横に動いた。▼曲が静寂な「ともしび」から快活な「カリンカ」に移る場面で、女性陣がくるりと回ると真っ赤なエプロンに早変わりし、客席がどっとわいた。みな団員自身が考案し、けいこ中にああだ、こうだと言い合いながら固めてゆく。▼「譜が読めないので」と、テープを四六時中離さず、田んぼでトラクターを操縦しながら声を張り上げていたという人も。なまくら会員の筆者以外は、ほとんど一年がかりで練習した。▼楽屋で「お化粧は年に一度、今日だけ」とはしゃぐ人もいて、中学生のように邪気のない老女らの顔を眺めながら、「今年はひょっとすると」と感じていた。「『元気に楽しく歌う』という大会の趣旨にぴったり」というのが、審査員を動かした主因だったらしい。(E)

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