太陽系の最も外側を回る惑星とされてきた冥王星が、世界の天文学者らの多数決により、「惑星」からはずされることになった。

2006.12.27
丹波春秋

太陽系の最も外側を回る惑星とされてきた冥王星が、世界の天文学者らの多数決により、「惑星」からはずされることになった。あくまで分類上の話で、それによって宇宙がどうかなるわけではないが、地球社会では、教科書の書き換えなどなど、大騒ぎだ。▼「星占いに影響は出ますか」とテレビの取材を受けた占い師の女性が「まだ余韻が残っていますので、当分変わりません」と大真面目で答えていたのには、思わず笑ってしまった。▼筆者もはじめ、「科学的な定義が多数決で?」といぶかしかったが、この月より小さい氷の星は、軌道がまん丸の円ではなく、また他の惑星よりだいぶ傾いている、さらにその外側にも公転軌道を持つ星が70以上も発見されている-と聞いて、まあ、やむを得ないかと思うに至った。▼今、アメリカの探査機が9年がかりでこの星に向かっているそうだが、いつかは人間が乗ってたどりつけるだろうか。250年かかって太陽を一周するというこの星から眺めたら、太陽や水星、金星、地球、火星ら太陽系の都心、『丸の内』がひとかたまりのかすかに赤い粒となって何やらうごめき、こちらは白一色の『よみ』の世界。▼……目を閉じると、「降格」とか「マイナー落ち」といった新聞の見出しを超越した情景が、余韻を持って浮かび上がる。(E)

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