家族のぬくもりを伝えてくれるテレビアニメの「サザエさん」。

2006.12.27
丹波春秋

家族のぬくもりを伝えてくれるテレビアニメの「サザエさん」。サザエさん一家の家族愛を象徴しているのが、家族全員で食卓を囲む光景だ。カツオやワカメがひとり寂しそうに食事をしているシーンは見たことがないように思う。もしあれば、観ているこちら側もせつなくなる。でも、現実の家庭では、子どもだけで食べるのが当たり前の光景になっている。▼家庭は、家という「庭」だ。庭には、手入れの行き届いた美しい庭もあれば、葉や草が生い茂ったままの荒れた庭もある。家庭も庭である以上、世話をしなければいけない。子どもをめぐるさまざまな問題が起きているのは、その世話を怠っていることも原因している。▼家庭という庭が輝いて見えるのは、家族がそろって和やかに食べている時だろう。子どもだけで食卓に向かう『孤食』が、子どもの心にどんな影響を及ぼすか、再考しなければいけない。▼孤独刑という刑罰がある。歴史上、多様な処刑が編み出されたが、人との交わりをいっさい断った環境に置く孤独刑は人を最も確実に追い詰める刑罰だという。孤食は、孤独刑ほどでないにしろ子どもを追い詰めないか。▼1月24日は学校給食記念日。子どもの食生活で大きなウエイトを占める学校給食だが、学校給食だけでなく、子どもの食を振り返る一日にしたい。(Y)

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