日本が敗退し、サッカー・ワールドカップの観戦から遠ざかっていたが

2006.12.27
丹波春秋

日本が敗退し、サッカー・ワールドカップの観戦から遠ざかっていたが、イタリア-フランスの決勝だけは、眠い目をこすりながらテレビの前に。さすが頂点に立つ両チームだけに、見事な試合だった。▼イタリアがPK戦を制したものの、ボールの支配ではフランスが終始優勢を保ち、ことに頭突きを犯したジダンが退場させられ、一人減ってもなお衰えないのに感心した。PKでのミスの差も「運」で、『実力王者』はフランスだったかもしれない。▼でも、ちょっと考えさせられた。フランスの選手はほとんどがアフリカ出身だ。アフリカ人が気に食わないのではない。フランスのジュニア・クラブに、今大会にも出場したコートジボアールなど旧植民地から素質のありそうな子供がごっそり『輸出』され、それを商売にしている者もいると聞いたからだ。▼貧しい国に埋もれているより、世界の桧舞台のチャンスを与えられる方が良い。イタリアだって、ヨーロッパ中から選手を集めていることには違いない。ただ彼らはナショナル・フラッグをかざした熱狂的なサポーターの声を、どういう気持ちで受け止めていただろうか。▼アメリカなどは元々寄せ集めの国だし、日本の国技、大相撲だって。グローバルの時代にそんなことにこだわるのは、感覚がずれていると言われるかもしれないが。(E)

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