高校を卒業して以来、およそ30年ぶりに「学生うどん」を食べた。

2006.12.27
丹波春秋

高校を卒業して以来、およそ30年ぶりに「学生うどん」を食べた。当時、柏原高校生の行きつけの食堂だった柏原駅前近くの「日の出食堂」の『名物料理』だ。同食堂が3月末で閉店すると聞き、無性に食べたくなった。かまぼこと天かす、ねぎが入っただけのうどんで、そのころは80円だったと思う。▼今はメニューにないこのうどんを特別に作っていただいた。うどんをすすりながら、いつも腹をすかせていた高校時代を思い出し、少し感傷的な気分になった。思えば、学生うどんは青春の味だった。熱く、ほろ苦い時代だった。▼当時は、テレビドラマにも歌謡曲にも青春という言葉がよく使われていたが、今は聞かなくなったように思う。時代は変わったようだ。夜回り先生として知られる水谷修さんが、「大人になりたくない若者が増えている」と指摘している(本紙6面参照)。前途に希望が見出せず、しらけた若者が増えている。▼中国では、青は「春」や「東」を表した。白は「秋」や「西」を表す。春と秋が対になって春秋といい、東西というのだから、青の対は白になる。▼今の若者は、さわやかなイメージがある青よりも、「白けている」というように青の対の白が似合っているのか。時あたかも季節は、青の春。春のような生気あふれる青々とした若者であってほしい。(Y)

関連記事