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成人

2007.1.7 丹波春秋 
 日本全体がまだ貧しかった五十年ほど前、高校に進学できた生徒は丹波地方で三人に二人の割合だった。三人に一人は就職したり、家業を継いだ。丹波地方の工場へ遠くの町から集団就職してくる中卒者もいた。▼その後、日本は経済大国に成長し、丹波地方の生活環境も激変。二十年前には丹波路を電車が走り、高速道路が開通した。現在の丹波地方の原形ができたと言えるこの年に、今年、成人式を迎える新成人が生まれた。▼中卒者の就職が当たり前だった時代。家の近くに高速道路が走っていることを当然のようにして育った時代。そのずれは大きい。新成人たちは全体に、生まれたときから豊かな生活が保障された中で大きくなった。▼自分で餌をとらなければ生きていけない動物は狩りの技術を磨かなければいけない。しかし、餌を与えられる動物はそんな必要はない。狩りの腕前が未熟なままでいい。一人前に成長しなくてもいい。そんなふうに精神的にも経済的にも自立せず、子どものような幼い若者が増えている気がしてならない。▼映画「男はつらいよ」で、浪人の末に大学に入り、親から自立しようとしてもがいている甥の満男を寅さんが励ます場面がある。寅さんは言う。「行け、青年!」。ストレートなこの言葉を新成人に贈り、大人への自立を促したい。 (Y)

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