読書感想文


 小学生のころ、長期休みの宿題に出される読書感想文が苦手だった。記憶違いかもしれないが、読むこと自体が宿題の「課題図書」があって、その感想文を書くことになっていたと思う。 興味の有無にかかわらず読まなければいけない。これが曲者だった。積極的にその本と向き合っているわけではないので、読後に特別な感情が生まれてこないのだ。感想など書けるわけがない。本のあらすじや概略を説明した後、「○○みたいになりたいです」とか、当たり障りのない文章で行数を稼いだ。 状況が好転したのは中学生のときだった。いきさつは忘れたが、先生に「どんな本で感想文を書いてもよい」と言われたからだ。ならばと、直前に買って気に入っていた漫才師島田洋七のエッセーで書いた。破天荒な芸人人生をつづった本である。「こんな風になりたい」という言葉はとても使えず、純粋に「感想」で用紙を埋めた。楽しみながら文章を書いたのは、この時が初めてだ。 その経験から思う。感想文が苦痛な人は、好きなマンガ本で書いてみればいい。きっと楽しく書けるはずだ。それが伝われば、先生も怒らないと思う。たぶん。(古西広祐)