内科の診療縮小

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 柏原病院の内科医が半年で半減し、9月から内科の診療内容が一部縮小されることになった。心筋こうそくや、血管の詰まり始めの不安定狭心症が、同病院では診れなくなる。救急も、午後5時以降は水曜のみの対応になる。 心筋こうそくは、文字通り一刻一秒を争う疾患で、血管が詰まっている時間が長いほど、心臓の筋肉が死ぬ。これからは、搬送先が、三田市民や福知山市民病院と、これまでより遠くなる。現実として、命が助かる確率は、低くなる。9月以降も診察にあたる柏原病院の内科医は、30分胸痛が続く自覚症状がある人は、心筋こうそくの疑いが強く、心臓カテーテル検査ができる病院へ行くことを勧めている。 同医師は、「柏原病院が、この地域で果たしてきた役割は大きかったと思う」という。内科の診療縮小が現実のものとなった今、この言葉は重い。丹波地域の病院問題は際立った進展がないまま、市民の命がおびやかされる事態を招いた。この地域の政治家、医療関係者のみなさんは、どう考えているのだろうか。病院が無くなってから、医師がいなくなってから事の重大さに気付いても、手遅れなのに。(足立智和)

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