地域医療問題の本質

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 存続か縮小か撤退か、兵庫医大篠山病院に注目が集まっている。篠山市に公金投入を求める答申をまとめた同市の検討委員会の苦悩が、委員会がまとめた中間報告(2004年8月)と、答申(06年3月)から読み取れる。 中間報告の「書き出し」では、中核病院を国なり民間が担ってくれたことで財政上はプラスだったが、「財政負担をしないことが当たり前になり、地域医療を守り育てる意識や、公金投入への理解など、地域医療に対する市民の関心や認識の度合いを充分に醸成させ得なかったマイナス面もあったのではないか」と指摘。答申の「総括」は、「この問題の本質は、単に一病院への支援を意味するものでなく、地域医療を誰がどう担い、守り、支えて行くかにある」と結んでいる。丹波市、丹波市民にとっても考えさせられる内容だ。 丹波市でも、赤字の柏原赤十字病院の支援策を巡り論議が進んでいるが、利害関係がある当人どうしが話し合っており、「本質」が置き去りにされてはいないかと懸念する。大問題だけに、丹波市も、柏原病院の問題も含め検討する委員会を設け、専門家と市民で時間をかけて議論してはどうかと思う。(足立智和)

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