捜索

2007.01.29
未―コラム記者ノート

パラグライダーの男性の捜索に、消防団の一員として4日、5日と出動した。この暗い山から何とか救い出したいと思ったが、かなわなかった。自分が遭難しないようにするので精一杯だった。「山の捜索は難しい」。苦しい思いをしながら、そう思った。 6日も出動するものと思っていたが、「待機」だった。ひどい筋肉痛だったので、助かったが、2日で打ち切るのは薄情にも思えた。ほかの支団に出動を要請してもよかったのではないだろうか。 目撃情報が少なく、捜索は難航したが、少ない情報が大切にされたのか、疑問が残る。7日夕方、青垣で取材を終え、帰宅しようとしたところ、「おちるのを見た。大きな音も聞いた」と言う女性に声をかけられた。パラ関係者を乗せ、目撃現場まで行き、詳細に話を聞いた。結果論かもしれないが、女性の証言どおりの場所で見つかった。警察が自宅に話を聞きに来たそうだが、一緒に目撃現場までは行かなかった。家族が目撃情報を寄せた消防団員も、「形式的な事情聴取だった」と憤っていた。 捜索する人も、指示を出す人も不慣れだった。教訓が今後にいかされることを願う。(足立智和)

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