石こうで覆い搬出へ 発掘再開は11月ごろ


 県立人と自然の博物館は14日、 山南町上滝のティタノサウルス類と見られる恐竜化石の発掘現場を公開し、 化石を含む地層ごと切り取るため、 化石の表面を石こうを染み込ませた布で覆う作業を進めていると発表した。 これまでに見つかった尾椎 (びつい) や血道弓を同博物館に運ぶための作業で、 20日か21日に切り取った化石を含む地層を搬出する計画。 1次発掘では、 これ以上の掘削は行わない。 発掘の再開は、 11月ごろとなる見通し。 搬出後、 発掘現場は、 盗掘や増水時のせん掘を防ぐため、 コンクリートで露出した地層を覆い、 2次調査に備える。
 尾椎や血道弓が密集しており、 一つひとつを取り出すのに時間がかかるため、 「プラスタージャケット」 と呼ばれる、 石こうを染み込ませた布で地層ごと化石を覆って固めることにした。 固めることで、 保護すると同時に、 運搬がしやすくなる。 地層は二つに分け、 13日に縦横1メートル×厚み0・5メートルの大きい方のかたまりの表面部分を覆った。
 同博物館の三枝春生研究員によると、 これまで国内で今回のように密集して見つかることがなかったため、 恐竜化石の発掘に 「プラスタージャケット」 が使われるのは、 国内初という。
 4月から同博物館で化石に付着した地層などをはがすクリーニング作業を始める。 同研究員によると、 1人、 2人で作業を行った場合、 今回の発掘分だけで何年もかかると言い、 発掘に参加した人でクリーニングをするボランティアを育成する意向を示した。
 三枝研究員は、 「国内で初めて連結した関節が見つかるなど、 日本の恐竜研究が一つ上のレベルに上がった」 と1次調査を総括。 「全身に近いものが出たら、 世界的にも貴重なものになる」 と、 今後の調査に期待をにじませた。

<写真>石こうを含ませた布で覆われた化石を含む地層。裏側も覆い、かたまりにしてクレーンで吊り上げて搬出する=山南町上滝で

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