篠山層群でティラノサウルスの歯を発見


 丹波竜化石発掘現場 (山南町上滝) の 「篠山層群下部層」 (中生代前期白亜紀、 約1億4000万―1億3600万年前) で見つかった肉食恐竜 「ティラノサウルス類」 の歯の化石が、 同類の進化の起源を探る上で、 世界的に貴重な資料であることがわかった。 同類は1―3メートルほどの小型から10メートル級に進化したが、 これまで巨大化する過程の化石がほとんど見つかっていなかった。 同地層が、 空白を埋める時期に相当するとされ、 巨大化した時期の定説を覆す可能性が出てきた。 (森田靖久)
 今年2月まで行われていた3次発掘調査で発掘した岩石のクリーニング作業中に発見した。
 発掘を行う県立人と自然の博物館 (三田市) によると、 見つかった歯は前歯で、 長さ約1・8センチ、 幅0・6センチ。断面が「D」 の字になっているのが同類の特徴。 推定体長は約5メートルで同時期のものの約2倍。 進化した同類の証しともいえる縦の筋があり、 この筋と推定体長が、 世界的発見の重要なポイントとなる。
 同博物館の三枝春生主任研究員によると、 同類は中生代ジュラ紀 (約1億6500万年前) に出現。 約1億2500万年前までは小型だったが、 8400万年前には10メートル級のものが生息していたという。
 小型から大型に進化する約4000万年間の化石がほとんど見つかっておらず、 後期白亜紀 (約9900万年―6500万年前) に巨大化したと推定されてきた。 今年4月に中国で約1億1200万年―9900万年前の地層で同類が発見されたが、 篠山層群下部層はそれよりも古いため、 巨大化の推定時期がさらにさかのぼることになる。
 三枝研究員は、 「歯以外の部分も密集している可能性が高い。 丹波竜 (竜脚類) 以外の種の進化を知る上でも、 よりこの現場の重要性が高まった」 と話している。
 これまでの発掘で肉食恐竜の歯は20数本発見されており、 同博物館では今後、 同類の歯が交っていないか再調査に入る。
 歯の化石は、 27日に千葉県で開かれる 「日本古生物学会」 の場で発表される。

(写真)見つかったティラノサウルス類の歯。 進化の特徴といえる縦の筋が入っている=三田市の人と自然の博物館で

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