絵本 「丹波竜のおくりもの」完成、販売

2010.04.08
丹波の恐竜

 丹波竜化石発見者の村上茂さん (65) =山南町下滝=が、 丹波竜を題材に執筆した絵本 「丹波竜のおくりもの」 (32ページ、 製作・上久下地域自治協議会) が完成し、 上久下地域づくりセンターなどで販売が始まった。 すでに注文が相次いでいるが、 一時は、 国からの助成金打ち切りで出版が暗礁に乗り上げていた。 ようやく日の目を見ることになり、 村上さんは、 「一時はどうなることかと思ったが、 無事に出版できてうれしい」 とほほ笑んでいる。
 少年が夢の中で恐竜のすむ時代へタイムスリップし、 丹波竜と心を通わすファンタジー作品。 弱肉強食の世界や命の連鎖など、 現代と恐竜時代の違いなどを少年と丹波竜の交流を通して表現し、 子どもたちに命の大切さを訴える。
 昨年から執筆に取り組んでいた村上さん。 イラストを担当した絵本作家の村上祐喜子さん (大阪府) らの助力を得て、 出版準備を進めていた。
 そんな矢先、 地元上久下地区の 「かみくげ恐竜の里づくり協議会」 が採択を受け、 絵本の出版費用としても予定していた農水省の 「農村漁村地域力発掘支援モデル事業」 が、 新政権発足後の 「事業仕分け」 で打ち切りに。 予定していた出版社との交渉も頓挫し、 出版は一時、 見通しが立たなくなっていた。
 それでも、 「何とか子どもたちにこの絵本を届けたい。 何が何でも出版する」 と決意。 県の事業を活用したり、 上久下自治協議会から費用を捻出するなどして、 ようやく出版にこぎつけた。
 同じく村上さんが作詞し、 このほど完成した歌 「丹波竜物語」 の音源とともに、 市内全小学校に2部ずつ配布するほか、 篠山市の小学校にも配布する。
 村上さんは、 「子どもたちなど、 たくさんの人の記憶に丹波竜をとどめてもらう役に立てば」 と話している。 1冊1500円。 同センター (山南町下滝、 0795・78・0001) で販売しているほか、 両市の書店、 観光施設などでも販売していく予定。

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