「全国的に例ない規模」 篠山でナツツバキ大群生確認


県立ささやまの森公園 (篠山市川原) の山林で、 ツバキ科の落葉高木 「ナツツバキ」 が大規模に群生していることが、 同公園の行った植生調査で確認された。 全国的に見ても本数、 群落面積ともに例がないほどの規模といい、 同公園では現在、 篠山市の天然記念物指定に向けた申請手続きの準備を進めている。 多数の植物関連本を執筆している兵庫県立大学講師で、 樹木医の橋本光政さん (姫路市) は、 「これほどの高密度で林立する群生地は、 県内はもちろん、 全国的に見ても例がない。 まさに貴重な生きた文化財」 と話している。

 群生地は、 同公園事務所から南へ徒歩約50分の山中の谷筋一帯で、 兵庫県と大阪府の府県境近辺。 同所には、 2005年に市の天然記念物に指定された高さ約15メートル、 胸の高さの幹直径約32センチのナツツバキの巨木 (樹齢推定約100年) が1本あり、 今年1月から7回にわたり、 その巨木周辺を調査。 発見したナツツバキにそれぞれプラスチックの番号札を結びつけ、 その位置を地図に記入し、 幹回りも測定した。

 結果、 巨木を中心に半径約250メートルの放射状に群生していることが判明。 調査途中の現時点でもエリア内に約240本もの高密度で生えていることが分かった。 その多くが幹直径約3・5センチから約13センチであるため、 巨木の子どもや孫ではないかとみている。

 橋本さんによると、 県内での群生地は10カ所ほどあるが、 その中でもまとまっているとされる六甲山ですら、 数10本程度の群生という。

 同公園の面積は約255ヘクタール。 井口剛公園長は 「この公園ではすでに約20種類の絶滅危惧種の植物を確認しているが、 今回さらに貴重な植生が発見され、 この公園の自然の奥深さを改めて実感した」 といい、 「この森をみんなで大切に育て、 多くの人に森歩きを楽しんでもらえる場としたい」 と話している。

【ナツツバキ】宮城県以西の本州、 四国、 九州に分布。 樹皮は赤褐色でつるつるとしている。 6月下旬から7月上旬に美しい白い花を咲かせる。 花は直径約5センチで、 開花後、 1日で落ちる。 シャラノキの異名を持ち、 寺院に多く植栽されているが、 自生数は少ない。