隣国


 「さくらさくら霞か雲か」。桜は散りかけても、もやっとした霞の空は続く。花粉、黄砂に、最近はPM何とかという新顔まで到来して悩ましい。▼中国に知己の多い友人によると、「北京の大学教授は『こちらの環境は従来と同じ。日本の報道には意図的なものを感じる』、駐在日本人は『マスクをしているのは日本人だけ』と話している」そうだ。▼ところで、1990年に初めて北京に行き、中心街の展望レストランから眺めた夜景には、単色の粗末なネオンがたった一つ灯っていた。5年前、青島の空港からバスで市内に入る時、銀行の前ですらっとした女性が颯爽とマイカーに乗り込むのを見かけた。服装もすごくセンス良く、中国は日本に追いついたなと実感した。▼そんな急成長、生活水準のめざましい向上とは裏腹に中国の環境が悪化してきたのは間違いない。だからと言って、それを責めは出来ない。日本でも高度成長真っ盛りの1970年代、深刻な公害紛争が相次いだ。▼温暖化や放射能の今日的な問題は別次元の話ながら、ともかく大気汚染に関しては日本は先進的な努力をしてきた。中国政府にそんな実績をどう学び、対応してもらうか。日本も、国境紛争など難しい政治局面にこそ、もっと働きかけるべきだ。向こうの教授やセンス良い女性達も声を上げてほしい。(E)