肥料の地産地消へ研究 汚泥肥料で黒豆栽培 篠山市上下水道部と篠山東雲高校

2013.06.27
ニュース丹波篠山市

写真・合同研究の打ち合わせをする市上下水道部と篠山東雲高校の担当者=篠山市西岡屋のあさぎり苑で

 篠山市上下水道部と篠山東雲高校が、 下水道汚泥による乾燥肥料を使って、 篠山特産の黒大豆や山の芋を栽培する合同研究を2年間かけて行う。 同校のふるさと特産類型の生徒が栽培データをとり、 市民にその有効性をPRし、 乾燥肥料の消費を促すことで、 肥料の地産地消を目指す。

 

 汚泥乾燥肥料は、 し尿処理施設 「あさぎり苑」 (篠山市西岡屋) でつくっている。 あさぎり苑は昨年4月から、 市内の各処理場が生活排水を浄化する過程で発生する脱水汚泥を大型のバーナーで乾燥させている。

 乾燥後の汚泥は年間830トン発生。 約2500万円の処理費を支払って、 産業廃棄物として民間にごみ処理を委託していたが、 乾燥後の乾燥汚泥は微生物を多く含むことから、 汚泥処分量の縮減と資源の有効活用を目指し、 肥料化を目指してきた。 3月、 品質や安全性をクリアし、 篠山市混合汚泥肥料 「あさぎり乾肥 (かんぴ)」 として、 肥料登録された。 品質的には、 「窒素3%、 リン3%、 カリ0%」 で、 黒大豆や山の芋栽培に適した成分比率になっている。

 同校は、 同校の農場で、 市内の農家で栽培されている通常の方法と、 あさぎり乾肥を使った方法とで黒大豆を栽培し、 その効果を検証している。 来季は山の芋で検証する。

 同校の菊川裕幸教諭は 「しっかりとデータをとり、 肥料の地産地消を広め、 特産の振興につなげたい」、 上下水道部の上山計悟・下水道課長は 「肥料を市民に使っていただくことで、 処理量を減らし、 資源を有効活用し、 循環型社会構築の一助になれば」 と話す。

 同肥料は7月12日から1袋30リットル単位で市民に試験的に無料配布する。 1週間に50袋を用意。 7月1日午前8時半から受付を開始する。 予約は1人5袋まで。 1日以後も、 平日の午前8時半―午後5時15分にあさぎり苑 (079・552・0410) で受け付け、 その翌週の金曜日 (祝日の場合は前日) の午後1時―4時に同施設で配布する。

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