3年かけてバイオトイレ 山での困りごと解消 丹波おおやま里山オーナー会


写真・ヒノキとクリを組み合わせて造った小便器=篠山市大山新で

 篠山市大山新の里山林の整備活動に取り組んでいる 「丹波おおやま里山オーナー会」 (山本隆之会長) が、 山すそに設置している活動拠点施設の一角に、 3年前から建設を進めていた手造りのトイレが完成した。 「山での一番の困りごとはトイレ。 男性は隠れて用を足すことができるが、 女性や子どもはそういうわけにはいかない」 とメンバーたち。 「念願のトイレが完成し、 この森に気軽に人を呼べるようになった。 多くの人が自然と親しめるイベントを企画し、 会をますます盛り上げていきたい」 と話している。

 結成10年目となる同会。 当初よりトイレの設置が課題だった。 これまで用を足すには、 徒歩で片道15分以上掛かる大山振興会や神田神社のトイレを利用するしかなかった。

 トイレは、 小便器と大便器をそれぞれ1つずつ備えたバイオトイレ。 排泄物は、 おがくずやもみ殻が敷き詰められた便槽に集まり、 おがくずなどにすんでいるバクテリアの分解能力で堆肥化させる。 出来上がった肥料は、 メンバーが管理している菜園に利用するという。

 トイレ建屋の床面積は約8平方メートル。 柱や壁などの建築材はすべて森林整備によるスギ、 ヒノキの間伐材を使用した。 伐採木を自らの手で製材し、 柱や板に加工した。 大・小便器も 木製で、 メンバーがドリルやノミで彫り込んで成型し、 ヤスリがけをして丁寧に仕上げた工芸品。 メンバーたちは 「用を足すのに気が引けるほどの出来栄えです」 と笑う。

 大便器は洋式で、 本体にクリを用いたほか、 便座をケヤキ、 ふたをイチョウでこしらえた。 小便器もヒノキとクリを組み合わせて作った。 排泄物などが常にかかる部分には水に強いクリ材を使用するなど、 木の性質を生かしている。 トイレ建屋の隣には貯水タンクを設置。 屋根の雨どいから雨水を集め、 手洗い用の水を確保している。

 同会は、 森林整備活動の充実を図るため、 整備林の山すそに拠点施設を設置。 2007年にメンバーが集える東屋を、 11年には製材機や運搬車を格納できる作業小屋を、 それぞれ間伐材を使用して手造りしている。

 2003年、 大山振興会が荒廃の進む地元の里山を再生するため、 土地所有者から借りた里山林を都市部の住民に貸し、 里山の整備と地域住民との交流を図ってもらおうと、 「里山オーナー制度」 を立ち上げた。 集まったオーナーたちが 「丹波おおやま里山オーナー会」 を結成し、 森づくりを始めた。

 現在、 50―70歳代までの13人が所属。 会員のほとんどが阪神間の住民で、 約3・2ヘクタールの里山林を整備している。