苦味・辛味で動物も退散 防護ネットに刺激剤 氷上町「フェイス・トゥ・フェイス」

2013.09.26
ニュース丹波市

 氷上町井中の農業生産加工販売業、 フェイス・トゥ・フェイス (足立公社長、 0795・82・4445) が、 野生動物が近づけなくなるほどの強烈な苦味と辛味成分を練り込んだ防護ネットの製造、 販売を始めた。 農作物などをねらって、 ネットを食いちぎろうと口に入れた動物は、 強烈な苦味、 辛味に苦しみ、 危険な場所だと認識・学習することによって2度と近づかないという。 ただ毒性はないため、 死に至ることはなく、 足立社長 (58) は、 「殺してしまうのではなく、 人と野生動物の棲み分けになれば」 と話している。

 

 ネットに練り込む刺激剤は、 A&B環境保全研究所 (管理本部・香川県) が開発。 漢方の健胃薬センブリの1000倍以上の苦さのある物質と、 トウガラシの主成分カプサイシンからなる。 薬品は使用していないため、 人、 動物、 植物に薬害を与えることはないという。

 フェイス社は昨年、 同研究所の直轄代理店に。 足立社長が自身の畑で試してみたところ、 効果があったため自信を深めた。

 クマ対策で東北地方の高速道路に採用されたほか、 全国森林組合連合会が導入を決めた。 カラスの被害に悩まされている神戸市灘区のごみステーション用ネットとしても利用されており、 同市全域に広げることが検討されているという。 刺激剤の効果は、 4―5年。

 刺激剤は、 ネットにコーティングするだけでなく、 イノシシが穴を掘っている場所に薄めて散布したり、 木の皮を食べるシカに対しては木に塗るなどの使い方もできる。

 足立社長は、 「まれに、 それでも空腹に耐えられずにネットに突っ込んでくるイノシシはいると聞くので、 ネットを丈夫にするなどの改良は必要。 既存の猪垣を修理する際に、 その上からネットを張ってもらっても効果がある。 農作物の豊富な夏から秋、 えさを求めて動物が里に降りてくる冬場と、 年中、 使える」 と話している。

 

 値段は次のとおり (いずれも税込み)。

【ガードネット】▽1メートル×50メートル=1万6800円▽2メートル×50メートル=2万9000円

【カラスネット】▽2メートル×3メートル=7900円▽3メートル×4メートル=1万500円

【イノシシアウト(原液) 】3万9500円 (10リットル)

【シカアウト(同) 】2万6000円 (4リットル)

 

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