認知症早期発見に脳血流検査を 県立柏原病院


 県立柏原病院 (0795・72・4270) は、 認知症の早期診断に役立つ脳血流SPECT (スペクト) 検査の活用を呼び掛けている。 CTやMRIで脳萎縮が明らかになる前のわずかな脳血流の変化を読み取り画像データ化できるもの。 「鑑別診断に役立ててもらい、 早期治療へとつなげてもらえれば」 と話している。

 丹波地域で唯一、 同検査が行えるガンマカメラが同病院にある。 脳に集まる放射線医薬品を静脈注射し、 15分後からガンマカメラで撮像する。 2枚の板状のものが頭の周りを回転し、 脳を360度の方向から撮る。 1つの像を得るのに5分かかり、 これを6度繰り返す。 寝ているだけの検査で、 注射する医薬品も造影剤と異なり、 副作用がほぼないという。

 集めたデータをコンピュータで画像化。 血流が多い所は赤く、 悪くなっている所は青く表示される。 青く表示されている部分によって、 アルツハイマー病やレビー小体型認知症などの診断が可能になるという。

 認知症疾患治療ガイドライン (2010年) でも、 アルツハイマーについて、 MRIと共に同検査が補助診断として推奨されている。

 昨年着任した日本核医学専門技師認定機構認定技師の芦原龍彦放射線技師長が、 他地域では行われている同検査が丹波地域ではほとんど行われていないことに気づいた。 同病院の高額機器を共同利用し、 地域に貢献しようと、 丹波圏域の医療機関に説明し、 利用を増やしている。

 着任前は認知症の診断目的の同検査はなかったが、 昨年度は18件ほぼ全てが認知症疑い。 今年度は上半期で20件に増えたが、 「まだ浸透した、 と言えるほどの数ではなく、 周知に力を入れたい」 と言う。

 検査費用は、 1割負担で約7000円、 2割負担で約1万4000円、 3割負担で約2万1000円。 30分間頭を動かさずにいられる人が対象で、 静止が必要なMRI検査が可能な人は、 同検査が受けられる。

 検査を受けるには、 他の医療機関か同病院の受診が必要。 同病院は、 水曜に 「こころと記憶の診療科」 (木原章雄医師・非常勤) を設け、 認知症の診断、 治療にあたっている。

 芦原技師長は、 「早く見つけることで薬での治療が可能な認知症があり、 また症状の進行を遅らすこともできる。 認知症を理解すると介護にも余裕ができる。 不安に感じたら、 当院、 かかりつけ医や丹波認知症疾患センター (大塚病院内) などにまず相談を」 と話している。

写真・ガンマカメラを用いて行う脳血流SPECT検査=県立柏原病院で