続く不健全経営 丹波市内2病院の昨年度決算

2013.10.31
ニュース丹波市

 県立柏原病院と柏原赤十字病院の昨年度の経営状況がまとまった。 当期純損益は、 県立が7億9500万円の赤字、 赤十字が1億4600万円の赤字だった。 入院患者が、 外科系診療科の診療機能が回復した県立で20%増えた一方、 赤十字で10・5%減った。 県立は、 人件費率が105%超と、 診療で得る収入を人件費が上回っており、 原則、一病院独立採算の柏原赤十字の累積欠損金は、 20億円の大台に乗った。 両病院の経営は極めて悪い、 不健全経営が続いている。

 

 県立は、 前年度より2億3900万円改善。 整形外科が軌道に乗り、 眼科、 泌尿器科も入院機能が回復。 常勤医が一時不在になった産婦人科も医師4人体制になった。 稼働病床を4床増やし、 150床とした。 入院収益が約22%、 3億5300万円増加。 外来患者数は横ばいで、 外来収益は7%増の7億100万円。 一般会計繰入金も1億7000万円増え、 収入は全体で約18%増えた。

費用は、 賞与引当金を今回の決算のみ1億1000万円計上するなどした給与費が6・8%、 1億8500万円増加。 材料費も17%増、 経費も11%増など、 全体で約8%増えた。

赤十字は、 前年度より5600万円の悪化。 昨年度、 10年ぶりに1億円を下回る9000万円の赤字決算だったが、 再び1億円を超えた。 累積赤字は20・8億円。

インフルエンザなどの季節性疾患患者や内科系疾患の入院患者が減り、 入院収益が7800万円減った。 外来患者は横ばいで、 収益は2900万円増えた。 収益は全体で約3%、 4800万円悪化した。 患者減で材料費は減ったが、 診療体制の充実に伴う給与費が2%、 2000万円増え、 委託費も増え、 費用は800万円増えた。

1人1日あたり入院単価と外来単価は、 両病院とも上がった。

  県立柏原は、 4月から14床増床しており、 今年度は昨年度より15%以上多く入院患者を受け入れる計画。 同病院は、 「計画に近い数字で推移している。 診療機能の回復をアピールし、 さらに機能充実をはかりたい」 としている。

柏原赤十字は、 「地域連携のいっそうの推進や健診事業との連携強化による患者の確保に重点を置きつつ、 費用の削減なども進め、 赤字の減少をはかる」 としている。

柏原の赤字額は、 県立12病院で最高額。 次が光風の4億4400万円赤字。 県立病院全体 (12病院) では、 当期純損益が7億7700万円と、 3年連続黒字。 累積欠損金は804億円。

 

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