被災東北から恩返しを 海鮮中心に物産販売 10月19、20日、丹南味覚まつりで

2013.10.13
ニュース丹波篠山市

写真・丹波たんなん味覚まつりに招かれ、 東北の物産を販売する阿部さん (左) と須田さん=宮城県牡鹿郡女川町で

 東北から恩返しを―。 東日本大震災で被害を受けた宮城県牡鹿郡女川町で暮らす阿部すが子さん (65) と須田悦子さん (69) が10月19、 20の両日、 四季の森生涯学習センター (篠山市網掛) で開かれる 「丹波たんなん味覚まつり」 (実行委員会主催) に招かれ、 海鮮を中心にした東北の物産を販売する。 町域のほとんどが津波に襲われ、 産業、 生活ともに壊滅的な被害を受けた女川町。 復興はまだまだ遠いものの、 震災当初から支援のために多くの市民が駆けつけた篠山を訪れる2人は、 「おいしい物産を届けて、 恩返しができれば」 とほほ笑む。

 2人はワカメやコンブ、 ヒジキなどの乾物のほか、 阿部さんが営む 「マルキチ阿部商店」 が開発し、 農林水産大臣賞を受賞したこともあるサンマの昆布巻き 「希望の昆布巻き―リアスの詩」 などの加工品を販売する。

 リアス式海岸を有し、 全国有数の漁港として知られた女川町。 サンマをはじめとする海鮮の宝庫として名をはせた。 しかし、 2011年3月11日の震災で、 町域の8割が津波で壊滅。 人口約1万人のまちで、 約1割の死者・不明者を出した。

 阿部さんは、 工場や家が津波の被害に遭い、 須田さん宅は原型を留めていたものの、 家が傾くなどの被害を受けた。 友人、 知人もたくさん亡くした。

 そんな中、 篠山市から駆けつけたボランティアらが須田さん宅の隣りに活動拠点を設けたことから親交がスタート。 須田さんは自身も被災者でありながら、 風呂や食事を提供するなど、 ボランティア活動をサポートした。

 味覚まつり実行委員会では、 被災地を支援するため、 東北の物産スペースを計画。 須田さんらとつながりのある市内のボランティアを通して、 2人を招くことになった。

 遅々として進まない復興への道のりの中、 篠山に招かれる2人。 須田さんは、 「いつも会っていた篠山の人たちが暮らすまちに行くことができると思っていなかった。 自慢の食材を持っていくのでぜひ楽しんでほしい」 と話している。

 販売時間は両日とも午前10時―午後4時。 まつりではほかに、 篠山産の料理や物産の販売、 兄弟デュオ 「ちめいど」 や 「丹波篠山楽空間」 などの屋外ステージイベント、 子ども向けのイベントなど多彩な内容が繰り広げられる。

 問い合わせは同実行委 (079・594・1180)。

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