全盲の卒園生凱旋公演「保育園に感謝」 山南出身・荒川明浩さん


 認定こども園に移行する丹波市立わかくさ保育園 (丹波市山南町北和田、 岸本良子園長、 42人) の閉園記念イベントとして、 3月29日、 同園卒園生の全盲のアマチュア音楽家、 荒川明浩さん (32) =山南町北和田出身、 豊中市在住=が凱旋ミニコンサートを開いた。 ギターを手に自作曲や園児時代に歌っていた童謡・唱歌を披露し、 園児や保護者を楽しませると共に、 自身が通った保育園に 「ありがとう」 の感謝の言葉で別れを告げた。

 荒川さんは、 1987年卒園。 生まれつき目が見えない障がいがあり、 2歳から6歳まで同園で過ごし、 県立盲学校 (神戸市垂水区、 現・県立視覚特別支援学校) へ進んだ。 同校の高等部 (専攻科) で技術を習得し、 マッサージ師として勤務する傍ら、 阪神地区のライブバーで演奏活動を行っている。 これまでにシングルとアルバムを1枚ずつ自主制作している。

 荒川さんの隣に住んでいた元同園園長の田中明美さん、 3歳児の担任だった吉住美代さんらが、 がんばっている卒園生の姿を子どもたちや保護者に見てもらおうと招いた。

 園庭にブルーシートを敷いて行われたコンサートでは、 保育園時代に大好きだった 「どんぐりコロコロ」 や 「大きな栗の木の下で」 などの童謡、 2歳の時に祖父母の影響でよく歌っていた演歌 「浪花節だよ人生は」 で盛り上げ、 自作の代表曲 「見えない星」 を歌った。

 同園で保育士が作ってくれた折り紙の星から着想を得た曲で、 「折り紙の切り抜きで星を覚えた。 星は見えなくても、 あきらめない。 心の目を開いて見えない星を描く」 と、 ギターを爪弾きながら、 優しい声で歌い、 喝采を浴びた。

 当時の担任が順番に、 「歌が上手でリズム感抜群。 暗記力も抜群で、 1度聞いただけで歌を覚えた。 音程を外すと 『外れたで』 と指摘された」 「オルガンを弾くと、 体全体でリズムを取り、 くるくると回った」 と、 非凡だった音楽センスや、 「においで保育士の名前を当てていた」 などのエピソードを披露した。

 荒川さんも、 お昼寝の時間に友だちの布団でおねしょをした話や、 チーズを初めて食べたのが園の給食で、 口に合わず、 今も苦手にしていることや、 やんちゃで保育室にじっとしていられず、 オルガンの音が聞こえると戻って来て歌ったことなど、 思い出話を披露。 「生きるための勉強をさせてもらった。 わかくさ保育園のおかげで進学ができた。 ありがとう、 わかくさ保育園」 と感謝の言葉を述べた。

 荒川さんは、 フェイスブック、 ツイッター、 ブログで音楽活動の情報を発信している。「荒川明浩 あらちゃん」 で検索を。