子孫を思う


 過日の雹(ひょう)にはたまげた。弊社がある柏原は比較的、雹の被害がめだった地域だ。激しい雨と風、そして地面をたたきつける無数の雹。会社の駐車場にとめていた車にできた多くのくぼみが雹のすさまじさを物語っていた。▼異常気象だと言われる。科学的な知識がない者が付和雷同に騒ぎ立てることは慎みたい。とはいえ、尋常ではなかった雹を間近にすると、異常気象を認めざるを得ないとも思う。▼不安に心が領される。自然環境が人間にきばをむき、私たちの暮らしを脅かしているという不安である。次の世代、さらには次の世代に寄せる不安も頭をもたげる。自然環境は人間に対してさらに狂暴にならないか。未来に生きる者たちははたして平穏に暮らせるのかと案じる。▼作家の開高健氏は色紙によく、「明日世界が滅びるとも、今日、君はリンゴの木を植える」という言葉を書いたという。どんなに絶望的な状況にあったとしても、今を生きる者は、まだ見ぬ子孫を思い、懸命の努力をしなければならない。そう教えた言葉だと、私は読み解く。▼私たちの責務は異常気象の抑止だけではない。子孫の暮らしを脅かすと考えられるものから、子孫を守る手立てを講じなければならない。さて今回の集団的自衛権の閣議決定。この歴史的転換を子孫はどう評価するのか。(Y)