需要喚起の一私案

2014.09.04
未―コラム記者ノート

 「8月16日豪雨災害」の被害が大きい市島地域。災害発生から20日近くになり、丹波市災害ボランティアセンターへの要請が減ってきた。
 床下、床上に堆積した泥のかき出しを必要とする人が残っている。その作業は終え、柱や床板をふいたり、建具や農機具を洗いたい人もいる。日ごとに赤みを増す稲が気になっている人もいる。側溝や水路にたまった泥のかき出しなど、公の部分の復旧に手がつけられていない自治会もある。
 「被災者が気づいていない部分で支援が必要なことがあるのではないか」と考えることが、潜在ニーズをすくいあげることにつながる。「困っていることはありませんか。何でもやります」より、「こんな支援も、こんな支援もできる」と具体的に水を向ける方が需要を喚起できる。
 「支援可能リスト」、「メニュー表」を作って被災者に周知すれば、困っている人の力に、今以上になれるのではないか。力仕事だから、自分ひとりではと二の足を踏んでいた人の活躍の場も作れるのではないかと考える。「自分ができないことを助けてくれる1人」が必要なこともある。(足立智和)
 

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