日吉神社 (山南町井原)


 元来は巨岩の磐座 (いわくら) である。 イザナギ、 イザナミなどが祭神なのだが、 滋賀の日吉大社より分霊され、 その後、 宝暦11年 (1761年) に再建されたものだ。 神社の片隅に巨大なカヤの木がある。 市の天然記念物だ。
 神社再建後ほどなくして、 中井言次君音が相方の久須善兵衛政清とともに神社の彫刻をしつらえていった。 柏原の五社稲荷の彫刻を数年がかりで完成したのち、 第二の仕事として日吉神社を選んだものと思われる。 五社稲荷は中井家のメインテーマの 「竜」 のオンパレードだが、 ここでは京都で身につけた、 その他の多彩な彫り物を一気に披露した。 正面向拝 (ごはい) の竜は比較的小さなものだが、 木鼻 (きばな) には唐獅子と獏、 蟇股 (かえるまた) とおぼしき所には波や仙人、 また柱の先端には鶴が翔ぶ。 脇障子には、 中国の仙人が彫られている。

元高校教諭 岸名経夫