岩戸寺 (市島町岩戸)


 創建は奈良時代の宝亀2年 (771年)、 法道仙人による。 神仏習合の名残が残る寺である。 明智光秀の丹波攻めで全焼するが、 天正16年 (1588年) に再建、 さらに本堂、 観音堂は宝暦9年 (1759年) に再建された。 県道から左手の山手に向かっていき、 小高い所まで上り詰めたところに岩戸寺はある。
 山門の兎毛通しには大きな尾羽を広げた鶴、 向拝には天女が舞っている。 木鼻には阿吽の獏、 裏面にはやや大振りだが、 華が施されている。 しかし、 何といってもここは、 本堂観音堂の十一面観音菩薩の大悲殿の欄間に彫り込まれた、 迫力ある竜の彫り物が秀逸である。 屋内のものゆえ、 1800年前後の作とはいえ、 鮮やかな飴色をした3枚の欄間は見ていて飽きがこない。
 5代目中井正忠、 彼の父、 言次君音の相方、 久須善兵衛政清の銘が、 墨で鮮やかに残されている。

元高校教諭 岸名経夫