一宮神社 (氷上町上成松)

2014.11.01
中井一統特集

 旧成松町から沼貫方面へ数百行ったところを、 右折して行ったところにある神社。 創建時期は不詳。 社殿の規模の割には、神社林が広く、大きい。 あまり急でない参道を登っていく。 本殿の前面左右は言うに及ばず、 社周辺で紅い霧島ツツジがシーズンには得も言われぬ美しさをかもし出し、 最近では、 多くの見物客が繰り出して人気のスポットとなっている。
 しっかりした神社の正面向拝に竜の彫刻、 その頭上に力士がひとり唐破風の梁を支えている。 梁の木鼻には、 対になった唐獅子や象の聖獣、 さらにその奥には、 多数の長い首だけの竜の彫り物がある。 また、 手挟 (たばさ) みのところには菊の華、 脇障子には松に隼、 蟇股 (かえるまた) には中国の仙人伝説の人物も彫られている。
 菊の華の側面には、 さらに皇室の家紋が見られる。 明治末期か大正年間に8代目中井権次正胤によって彫られたものだろう。

元高校教諭 岸名経夫

関連記事