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「忘れないで」8月豪雨災害を絵本に 市島・荻野光代さん

「豪雨災害を忘れてはいけない」 という思いを込めて荻野さんが描いた絵本=市島図書館で

あの日のことを忘れないで―。 丹波市市島町上鴨阪の荻野光代さん (61) が、 8月の豪雨災害で体験した出来事や、 周囲から聞いた話を物語にした手描きの絵本 「あーしたげんきになーれ」 を作成した。 集落を襲う濁流や救助活動の様子、 当時の被災者の暮らしなどを、 絵の具やクレヨンで描いた。 荻野さんは 「豪雨災害は後世に伝えないといけない。 災害の怖さを身にしみて感じてほしいと思って描いた」 と話している。

主人公のおばあさんの目線で災害を描いた。 降り続く豪雨の中で募る不安感や、 ヘリコプターでの救助活動の様子、 消防士に背負われて避難する被災者の姿など、 豪雨の中で思ったこと、 自分の目で見た当時の状況を表現。 避難するときに転んで胸の骨を折った人の話など、 人から聞いたことも盛り込んだ。
1カ月近く断水し、 生活に支障が出た被災者の暮らしも描いた。 コインランドリーへ洗濯に行く人があったことや、 給水車でバケツいっぱいに入れてもらった水を運ぶ大変さも表現した。 夫が参加した市の説明会の様子を描いた場面では、 「多額の借金をして住むことができても、 雨が降るたびにおびえて暮らさなくてはならへん…」 とつぶやいた住民の声を載せた。

荻野さん宅も床下浸水にあった。 片付けなどが一段落したころ、 「この惨状も、 いつかは忘れ去られていくのかな」 と不安にかられたという。 「9月中ごろ、 孫の運動会で他町の小学校に行ったとき、 『前山小学校も今日、 運動会ですよね』 と声をかけられ、 ショックだった」 と言い、 同じ市内でも被災地の現状が知られていないことに愕然としたと振り返る。

昨年、 市図書館が主催した 「手づくり絵本展」 に自身の作品を応募したこともあり、 絵本として記録することを思いついた。 時間を見つけて描き、 他地域の

人にも災害の惨状を知ってほしいと、 今年も 「手づくり絵本展」 に応募。 市内の図書館で展示されたという。
所属している市島町の朗読グループ 「ひまわりの会」 で、 絵本を自身で読み、 カセットテープに録音。 市社協を通じ、 同町内の目の不自由な人に届けてもらい、 災害の大きさを伝えた。

絵本の文章は、 「あした元気になーれ」 という言葉で締めくくった。 荻野さんは 「少しずつ、 地域の人が元気を取り戻していけたらという思いを込めた。 決して忘れてはいけない災害を、 絵本を通じて伝えられたら」 と話している。

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