Categories: 豪雨災害特集

戻る喜び 抱える不安 丹波市豪雨から半年

間もなく完了する自宅修復を前に、 業者と打ち合わせをする葛野さん (左)。 「家の周囲には木を植えるなど、 自分でもできる災害対策をしたい」 と話す=市島町谷上で

昨年8月16日から翌17日未明にかけて、 丹波市を襲った豪雨災害から半年を迎える。 この半年、 被災者は何を考え、 どのように過ごしたのか。 被害が大きかった市島町谷上の自治会長、 葛野義広さん (64) にこの半年を振り返ってもらい、 心境や抱えている不安について話を聞いた。 また、 災害ボランティアの状況や復旧の進み具合など、 被災地が置かれている現状を取材した。

自宅近くを流れる前山川の濁流に襲われた葛野さん宅は、 昨年12月初旬から業者が入り、 修復作業が進んでいる。 3月中ごろには作業が終わる予定で、 半年以上に渡った避難生活を終え、 間もなく住み慣れた我が家に戻れるという。

胸をなでおろすような話ばかりではない。 葛野さん宅の敷地内には、 長男が建てた新築の家があり、 災害で大きな被害を受けた。 より川に近い新宅は、 川の改修工事などが終わらない限りは地盤もゆるく、 手が付けられないという。 家財道具などの片付けは終わっているものの、 修復は進んでおらず、 時間が止まったように被災当時のままになっている。

「少しでも災害が起きる可能性が低い場所にと、 前山地区以外で家を建てようかと考えたこともあった」 と話す葛野さん。 実際、 福知山市などに住宅見学に行ったこともあったという。 それでも、 なぜ自宅を修復し前山地区に戻ることにしたのか。 「生まれ育った場所だというのが一番。 それに何より、 同じ谷上自治会の被災者が 『また谷上に戻って生活したい』 と話していたのを聞いたから」 と話す。 災害後、 互いに励まし合うなど、 住民どうしがコミュニケーションを密に取ったことで生まれたきずなが、 「戻りたい」 につながったと振り返る。

一方で、 地域のコミュニティだった公民館も被害を受け、 集会所を失った同自治会。 「災害前は祭りなどのイベントを開いていた公民館。 仮設でも住民が気軽に集まれるような場所が近くにあればいいのだが」 と言い、 災害前の地域の姿を取り戻すことが、 つながりを深めることになると考えている。

葛野さんによると、 同自治会38世帯のうち、 15世帯は同自治会以外の場所で今も避難生活を送っている。 被災世帯のうち1世帯はすでに他町へ移住し、 避難世帯のうち2世帯も同自治会を離れるかどうか検討しているという。 「砂防ダムもできるので、 戻ってきてほしいとは思うが、 何とも言えない」 とこぼす。
今後の課題については、 「いつどこで災害が起きるか分からない。 仮に災害が発生したとしても、 被害が最小限になるよう、 山や川、 土砂などの対策を市にしてもらいたい」 と話している。

市復興推進室によると、 なお38世帯103人 (1月末現在) が公営住宅での避難生活を続けている。

被災者生活再建支援制度の申請状況は、 ▽全壊=3 (対象18世帯) ▽大規模半壊=6 (同9) ▽半壊=12 (同42) ▽一部損壊の損害割合20%未満=25 (同47) ▽同損害割合10%未満で床上浸水=134 (同145) ―。

同室は、 「これまでは目の前のことに追われた被災者も多かったと思う。 お正月が過ぎ、 これから申請が増えてくるのではないか」 としている。

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