男坂神社(養父市大屋町宮垣)

2015.06.03
中井一統特集

 県道脇の小高い丘の所にある。 戦国時代には、 男坂城があり、 その後に現在の男坂神社が鎮座しているが、 創建時は不詳である。 植物相が豊富なところであり、 そのせいか境内も荘重な雰囲気が漂っている。 石段を登って行くところの鳥居には、 「式内社 男坂神社」 とある。 拝殿、 本殿とも銅板葺きの入母屋造りであり、 しっかりとした建物である。 明治25年 (1892) に再建されたものである。
 本殿大虹梁の上に、 左上を向いた迫力ある竜が目に入る。 その上の妻飾りには、 1人の力士が屋根を支え、 そばに牛が控えている。 木鼻には定番の唐獅子と獏がしつらえられている。 目を凝らして見るとここの竜、 唐獅子、 獏とも、 他の所のものよりも目がきついと思える。 また脇障子が素晴らしい。 応神天皇と神功皇后による土蜘蛛退治である。 8代目中井権次正胤の得意のテーマであり、 丹波市にもあと2、 3カ所の神社にも見られる。

元高校教諭 岸名経夫

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