Categories: 中井一統特集

八幡宮社(綾部市物部町大渕)

 綾部市から大江町に抜ける途中の豊里町上市地区に鎮座する古社。創祀年、由緒は不詳だが、現在の社殿は天明3年(1783)である。
 石段を登って本殿を見上げる。向拝目抜きには左上方を睨み据え、舌をぐっと持ち上げ宝珠をしっかりと握っている竜がいる。ただ髭が見えないのと、“いらか”の数がやや少ない感じがする。すぐ上の唐破風内には、大きな虎が立ち上がって威嚇している。木鼻には左右に阿吽の唐獅子と象の彫り物だ。兎の毛通しの鳳凰はやや小ぶりだが趣きがある。手挟みは牡丹と菊。本殿四隅の梁には2カ所ずつに梅に鶯、波の上を奔る兎、長寿を祈念する鶴と亀の姿がある。また上部、妻飾りには左右とも、馬蹄で頭に角のある麒麟が見える。左脇障子には中国の神仙説話の虎を連れた仙人、右のそれには水で龍を呼ぶ仙人の姿が見える。誠に多彩な彫り物である。4代中井言次君音、倅の正忠合作の傑作である。
中井権次研究家 岸名経夫

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