浦宮神社(宮津市中津宮の谷)


 祭神は少童命(海神ワタツミノミコト)、創祗年代は不詳。古くは波穏やかな栗田湾に面した中津浜に鎮座していたが、文化元年(1804)に山裾に遷座した。現在の社殿は比較的新しく、昭和10年前後のものらしい。この湾に面して、上司の住吉神社、中津の浦宮神社、そして小田宿野の久理陀神社があり、すべて海の神を祀っている。太古の昔から船を使って鉄や玉の交易をやっていたのかもしれない。
 勾配のきつい石段を上る。本殿に見栄えのする彫り物がしつらえられている。中央向拝に左上方を睨む竜がいる。舌がピンと上に立ち、目の後ろが赤く塗られている。いらかも力強い。ただ銅線の髭が無いのと、宝珠が外を向かずに上を向いている。木鼻の唐獅子と象は大きな造りで、迫力があって美しい。手挟みには松と躍動的な鷹が目に入る。物資統制がきつくなり、素材が欅から檜になった時代の9代目中井権次橘貞胤の力作である。
中井権次研究家 岸名経夫