阿上三所神社(京都府京丹波町和知本庄)


 旧和知町の市街地の奥まった所に鎮座する古社。往時は土豪の粟野氏の所領で、後、園部藩に属していた。創建時等は不詳で、現在の社殿は享和2年(1802)のもので、唐破風、三間社流れ造り、柿葺きの立派なものである。このほかに同じ名称の神社が近くに3社ある。
 山裾に近づく。鳥居には青色に縁どられ立派な扁額が目に入る。向拝の目抜きには竹林の虎の姿、その上に、狭い空間ながらも迫力ある竜が前方を睨んでいる。下粟野のそれとは、竜の設置位置が上下逆だ。兎の毛通しの鳳凰も翼を大きく広げ、躍動感がある。蟇股の2頭の静、動の唐獅子も素晴らしい。風化をうけていない手挟みの華、すなわち花開いた牡丹の彫り物や精錬かつ力強い獏も見事だ。脇障子も手が込んでいる。中国の神仙説話の場面で、左は竜を足下に右は牛に乗った人物である。右脇障子に、彫物師柏原住中井丈五郎正忠の赤色も鮮やかな銘がある。
中井権次研究家 岸名経夫