小聖神社(京都府与謝野町下山田)


 祭神はイザナギノミコト。創建時不詳。東は弓木地区の木積神社から西は水戸谷の弥刀神社までの野田川下流域北側の集落で縮緬業が盛んだった地域である。近くの住人に案内してもらって神域に辿りつく。近くに円墳横穴式石室があり、鉄刀、勾玉、管玉や金環などが出土している。古墳時代には、日本海側からの交易の拠点の1つであったのだろう。傾斜の急な石段をかなり登る。静謐な境内で木々が林立している中で、敬服すべくごみがほとんど落ちていない。
 拝殿と本殿は、天保6年(1835)に改築されたものである。本殿にある彫り物は数は多くはないが素晴らしい。特に向拝中央の竜が特筆ものだ。左下方をぐっと睨み、宝珠を中央にしっかり握り、“いらか”を逆立てている。背後の脇障子も面白い。左の脇障子には、神仙説話の仙人が牛に乗った図、右のそれには、竜にまたがる仙人だ。当社彫物師栢原城下中井権次橘正貞の銘がある。
中井権次研究家 岸名経夫