新井神社(丹波市柏原町大新屋)


 創建は大和時代、欽明朝(539-571)で市内延喜式内社17社の内の最も古い神社の1つ。祭神は天地創造の神、高皇産霊神(タカミムスビノカミ)であるが、江戸初期、比叡山の麓の日吉大社の分霊が祀られ、俗に「山王権現」とも言われ、その使者が猿であることから、本殿(県指定文化財)には見事な猿の彫り物がしつらえられている。阿吽の呼吸の猿(向かって左が雌、右が雄、それの陽物が際立っている)。猿は(さる)に通じ、災害除けの聖獣である。他に目につく彫り物はない。6代目中井正貞の力作である。
 この近くに石見神社が佇んでいる。往時隣村どうしの山争いが絶えず、領主の谷垣石見守が囲碁の勝負で争いを納め、これに感謝した領民が文化5年(1808)、新井神社境内に、石見神社を創建したものである。そこには日本一の石造りの大碁盤が平成4年(1992)に奉納され、現在の囲碁ボールに連なっている。
中井権次研究家 岸名経夫