Categories: 中井一統特集

鴨神社(丹波市市島町梶原)

 端正な小富士を南に見て、天然記念物の巨木が育つ立派な神社林に鎮座する古社。室町時代に神野神社(かものじんじゃ)と言われた社殿が建立されたが、延宝8年(1680)再建、加茂別雷命になった。誠に多くの神が鎮座する社で、鴨社、八幡、春日、貴船社があり、大神宮、金毘羅宮、庚申堂、厳島神社、珍しくも柿本神社もある。
 由緒が分かりにくいが、朝鮮半島南部、九州、日本海沿岸を拠点とする渡来系の豪族鴨氏が、鉄、銅、玉などを交易するため、由良川を遡上し福知山の荒木からこの地に定住し、鴨庄など鴨の地名の多い豊かな地区を形成したものだろう。彼らの矜持が、産土神として、いたく鴨神社を崇拝したのではなかろうか。大正3年鳥居の扁額に柏原の中井権次正胤が筆を入れた。本殿向拝の竜は左上方を睨み、髭は白めっき、目の後方は朱色、朱色の残る宝珠をぎゅっと掴んでいる。正胤60歳時の作である。
中井権次研究家 岸名経夫

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