伊都伎神社(丹波市市島町中竹田)


 創建時不詳。延喜式神名帳にある古社。祭神は天地開闢の兄妹神(お母陀琉神とその妹神)と誉田別命(応神天皇)。立派な両部鳥居を潜り、斎の宮を示す石柱を右にして石段を登って小高い神域に近づく。右側に伊勢神宮遥拝所の石柱がある。拝殿に上る階段が無い。内部には由緒の説明といえば平成年間のものばかりで歴史が辿れない。本殿は慶安元年(1648)造営で明治15年3月に再建されたとのこと。春日造、銅板葺の立派なものである。
 向拝中央の狭い空間に竜の彫り物がある。左前方を睨んでいる。黒い髭、舌を立てているが、やや迫力に欠ける。本殿の他のものは大変垢抜けのしたもので小さな鳳凰、大きな唐獅子もいい。側面上部の踊るような麒麟は逸品で、最上部の霊獣も初めて見るものだ。左脇障子は、女性が崖の上で立て膝での観瀑図。右は牛を引く鉄拐仙人だ。6代正貞の弟、正用の嫡男中井清次郎正実の力作である。
中井権次研究家 岸名 経夫