Categories: 中井一統特集

宝殿神社(宍粟市波賀町上野)

 国道29号線(若桜街道)を北から下り、波賀町上野の市民局前を左折して少し行った所の山裾に鎮座する大きな神社。車では本殿に近づけず勾配のきつい石段を上る。眼下の街並みの俯瞰は素晴らしい。創建は1550年ごろ、芳賀藩主を祀るために建立されたと伝わるが定かではない。安政4年(1857)に再建され、その後万延元年(1860)に大国主命を祭神とした。平成16年の台風で本殿飛散、同20年に本殿をはじめ全ての社殿を建て替えた。
 木の階段を上り本殿に近づく。向拝中央に迫力満点の竜が目に入る。左下方を睨みつけている。宝珠を目の前で握り、舌をピンと立てている。“いらか”の立ち上がりもすばらしい。木鼻は唐獅子と象。持送りは牡丹である。右脇障子には神仙説話の軍配を持った仙人、左のそれは鷹が猿をいびっている図。脇障子裏に「丹栢城。正次」とある。中井権次正次の35歳時の傑作である。
中井権次研究家 岸名 経夫

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