天満威徳神社(香美町村岡区日影)


 国道9号線、日影地区の猿尾の滝に入る道の次の小道を入って右折して少しの所で左方、山の方へ向かう。天保11年8月11日と彫り込まれた大きな自然石の御神灯が目印だ。160から70段ほどの自然石の石段を上った中腹の平地に鎮座する神社。樅(もみ)などの大木も茂り、静謐な雰囲気の境内である。祭神は菅原道真、創建は嘉永2年(1849)。
 覆い屋の本殿は、あまり大きくはないが、一間社入母屋造り千鳥破風唐破風。向拝に60程の玉眼の竜と上に松の木の彫り物。唐破風懸魚には大きく羽を広げた鳳凰、木鼻には唐獅子と獏、持ち送りには牡丹と菊花、2枚の手挟みには、竹生島文様の波と兎、さらに本殿梁にある。脇障子は鯉に乗る琴高仙人と鐘離権仙人である。向拝中央、竜の裏面の片隅に「彫り物師 丹州栢原町住人 中井権次橘正貞」の銘がある。彼69歳時の円熟の秀作である。
中井権次研究家 岸名 経夫