篠山市市名変更問題 「決めかねる」最多 議員に意向聞き取り調査

2017.09.14
市名変更問題特集

 今年に入って再燃した現在の篠山市を丹波篠山市に改称する「市名変更問題」。市民の中でも賛成、反対、あるいは関心がないなど、さまざまな意見に分かれる中、仮に市が市名を変更すると決定した場合、避けて通れないのが議会の承認だ。市民からはこの問題に対し、「議員の動きが見えづらい」との指摘もある。丹波新聞社は、匿名を条件に議長を除く市議17人に対して現状での意向を聞き取り調査した。結果、「決めかねる」が最多で7人と、頭を悩ませている様子が浮き彫りに。「賛成」「反対」はともに5人で拮抗している。

 「決めかねる」と答えた議員の意見では、支持者の間でも意見が分かれていることのほかに、「ブランド力を強化することや、後世のことを考えると個人的には賛成に傾く」としながらも、「自分の支持者に話を聞いたら反対の方が多かった」など、自身と支持者の意見が割れている状況が見られた。

 また、「議会で判断するよりも住民投票がベストでは」という声も多かったほか、「市民の多くが望むことならばいいが、議論の進め方に疑問を感じている。なので、このまま議案が上程されれば反対する」という意見もあった。

 「賛成」と答えた議員は、「将来に向けての投資」「篠山の農産物を守り、育てていくために必要」などのほか、「感情論ではなく、現状を見れば、丹波市があることによる不利益は明らか。市名を変えて丹波篠山の個性をしっかり持つべき」などの意見が出た。一方で、「賛成するが、市名変更だけではだめ。合わせて今後の成長につながる施策も必須」との意見もあった。

 「反対」と答えた議員からは、「市名を変えても丹波市との混乱は収束せず、問題解決にはならない」「篠山市をもっと売り込む取り組みが必要」「産地表示で『丹波篠山』が使えないという情報がとっかかりだったが、消費者庁は『問題ない』としており、根本から間違っている」などの意見があった。

 このほかに、「賛成だが、反対の市民を説得できる判断材料が少ない。行政はもっと情報を出すべき」などの声が上がった。

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