法華寺 赤花鬼子母神(豊岡市但東町赤花)


 創建は元和4年(1618)、その後、宝永16年(1639)守護神として、山頂に鬼子母神が祀られ、奥之院となり祭日には、殷賑を極める。昭和2年に火災により焼失後、再建。奥の院に向かって、静謐な参道を歩む。こぢんまりとまとまった社殿に近づく。正面向拝の周りと、堂内の欄間三面に彫り物が設えられている。

 向拝の目抜きは、長さ1・1メートルぐらいの竜で、左上空を睨んでいる.目じりは白く、宝珠も小さく、髭は木である。木鼻は定番の唐獅子と獏、兎の毛通しは立派な鳳凰、その後ろ、唐破風を支える力神が、お腹を膨らませ、迫力満点である。手挟みは松の木の中に、阿吽の呼吸の鶴が対峙している.堂宇の中の2・2メートルの竜は色彩鮮やかで、目の後ろは朱色、宝珠は中央に、髭は木である。その左右は唐獅子。格天井の花鳥図も素晴らしい。向拝の竜の背後の銘、「丹波柏原彫刻師、9代目中井権次」。彼の傑作である。
中井権次研究家 岸名経夫