出生率

2018.01.20
丹波春秋

 本紙正月号で福知山市の出生率を取り上げ、記事にした。1・96もあり全国34位。福知山が内部完結型の町であることが、飛び抜けて高い出生率に関係しているようだ。

 約6300人が働いている長田野工業団地を擁するなど、働く場が確保されている。市内で通勤、通学する人が極めて多く、市内に住む人が市内で働く。市内に働き口や学校がある利便性の良さが、高い出生率の要因の一つになっているようだ。ほかにも要因はあろうが、すぐ近くにいい見本があるのだから、取り入れられるものは取り入れたい。

 時代をさかのぼるが、江戸時代の話。経済が伸長した元禄までの100年間、人口は2倍以上にふくれあがったという。ところが、その後の150年間は低成長時代が長く続き、人口増加から一転、ほぼ停滞した。経済と人口はリンクしていた。

 俗に「貧乏人の子だくさん」という。しかし、これは事実とは違っていたようだ。身分によって子どもの数に大きな差があり、武士の世界では上層ほど子どもが多かった。農民も町民も同様の傾向だった。物心ともに余裕がなければ、子どもを生み育てるのが厳しいのは、江戸時代も今も変わらない。

 出生率は、豊かさを示すバロメーターの一つと言えるかもしれない。さて、わが丹波地域の豊かさは。(Y)

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