福住と竹

2018.02.17
未―コラム記者ノート

 放置竹林の竹を砕いて堆肥にしたり、農業用ハウスを建てるなどの篠山東雲高校の研究が、「日本学校農業クラブ全国大会」で2年連続入賞するなど成果を上げている。これが後押しにもなって、篠山市が竹の粉砕機を自治会などに無料で貸し出す制度を始めたところ、5月ごろまで予約が埋まる人気ぶりという。さらに京都大学の学生と地域おこし協力隊員らが、同高近くのバス停を竹で組み立てるプロジェクトも進行している。

 篠山市福住の伝統的建造物群保存地区に立地する東雲高校の真ん前にある住吉神社には、庭園研究の権威で作庭家の重森三玲氏が手掛けた「住之江の庭」がある。傷みが激しいこの庭を住民らの手で再生する事業が動き始め、このほど重森氏に師事した日本庭園研究家の西桂さん(加古川市)の講演会があった。

 西さんは、庭園にある竹垣「網干垣」について触れ、「漁師が網を干している様子をイメージしたもので、この庭園において重要な構成。他の庭では雷をイメージした竹垣も造っており、創作垣は重森の真骨頂」と強調した。

 福住と竹のつながりがここにもあった。
(芦田安生)

関連記事