親しみのある相撲甚句

2018.02.22
未―コラム記者ノート

 丹波市春日町の棚原相撲甚句保存会が2月25日に大阪で相撲甚句を披露する。1993年の保存会結成以来、初めての丹波市外での披露となる。メンバーたちは本番に向けて練習を重ねている。

 棚原相撲甚句は、大正時代に相撲巡業で棚原に来た力士たちから、米などと引き換えに化粧まわし6本を譲り受け、その際に相撲甚句を一緒に教わったのが始まりと伝えられている。その化粧まわしの1本には「神力」という、しこ名の刺繍が残っていた。神力は現在の加東市の出身。東京相撲の十両になり、兄の陣幕嘉七は大坂相撲で大関にまで昇進した。本番はその立派な神力のまわしを付けて相撲甚句を披露する。

 相撲甚句は七五調で歌詞がおもしろい。棚原保存会が披露する「春日町名所」では、「丹波栗やら松茸や 大納言やら春日茄子」、「丹波市名所」では、「桜の花なら鐘ヶ坂 丹波吉野の名もゆかし」など、親しみのある歌詞が多い。

 4年ほど前から消防団卒団世代を中心に20―40歳代のメンバーが増えた。若い人なりの歌詞が入った甚句が聞ければおもしろいだろう。
(坂井謙介)

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