黒豆納豆を販売する「コベクロ」社長 森口久さん(篠山市八上上)


黒豆納豆はまちづくり

神戸大学篠山フィールドステ
ーションと共同開発した黒豆納豆「KOBEKURO(コベクロ)」(税込390円)の販路拡大をめざして今年3月に立ち上げた、株式会社「コベクロ」の社長に就任した。丹波篠山黒大豆の元祖といわれる「波部黒」の産地に生まれ育った7人の農家が発起人となり、生産者の意欲向上と地域の活性化をめざす。

会社設立前までは日置地区まちづくり協議会の「黒豆納豆販売準備会」が、黒豆の確保と保管、販売などを担ってきた。取引先を紹介してもらった際、「準備会ではなぁ」と信頼を得られなかったことが設立のきっかけだった。7人がそれぞれの人脈の中で営業活動を展開しており、販路拡大に向けて徐々に動きが出てきた。

「豆を早く作りたかったんです」。定年まで1年を残して宝塚市役所を退職。兼業でしていた黒豆栽培を本格的に始めた。篠山の秋の風物詩となった黒枝豆の路上販売も、昭和60年代に近所の農家数軒が始めたのが最初。兼業時代からそんな“先駆者”たちと黒豆を売り、常連さんもできていた。
「私の場合は栽培よりも豆を話題にしていろんな話ができるのが楽しかった。農家同士で田んぼの畦に座って栽培方法を情報交換し、お客さんに『この地域の豆はおいしくなった』と言ってもらえた時はうれしかった」と表情をくずす。

そのこだわりの黒豆が、少し小さいだけで安値で取引される現状に「何とかできないか」と考えていた時に提案を受けたのが黒豆納豆だった。「黒豆農家の育成や営農組織としての役割を担う、まさにまちづくり。若い人の視点が入るようなことも考えながら、組織に刺激を入れていきたい」69歳。