記録的豪雨 浸水被害広がる 水路埋める山からの土砂 山南・北和田で499ミリ 床上浸水17戸

2018.07.12
ニュース丹波の豪雨災害丹波市特集

春日和田山道路大崎横田トンネルの北側の山の斜面で土石流が発生。山裾にあった墓地を土砂が押し流した。水没を避けるため高台にある墓地の駐車場に避難させていた車3台も押し流され大破した=兵庫県丹波市氷上町横田で

西日本に甚大な被害をもたらした豪雨で丹波市内も5―7日にかけて記録的豪雨に見舞われた。兵庫県丹波市山南町北和田の72時間雨量は499ミリに達した。7日午前1時22分に兵庫県に大雨特別警報が発表されたのとほぼ同時刻に、同市氷上町稲継で69ミリ(7日午前2時)の1時間雨量を観測。7日未明に激しく降った雨で山からの土砂が水路を埋め、あふれた水で各地で被害が相次いだ。床上浸水17戸、床下浸水227戸(10日午後1時時点)の住宅被害が確認されている。8日の日曜に土砂の片づけが急ピッチで進んだ。交通の混乱は9日夕方にJRが4日ぶりに運転を再開し、ほぼ解消。被災住宅の片づけを助ける災害ボランティアの派遣が9日から始まり、復旧に向けた動きが本格化している。

同市春日町山田では、山からの水や土砂による水路詰まりの水が流入し、民家2戸と、特別養護老人ホーム「おかの花」などで床上浸水被害が出た。同自治会を含む船城地区が春日地域の床下浸水の約7割を占めた。
船城から黒井にかけての黒井川沿いの田んぼは河川の氾らんで湖のようになり、周辺の家屋も浸水した。

山南地域は、和田、草部、応地で床上浸水。和田、草部自治会に同地域の住宅被害の8割近くが集中した。和田中地区では水路詰まりの影響で行き場を失った水が噴き出した。

氷上地域では山林からの出水で市辺、横田の24戸が床上、床下浸水。西中などは加古川本流にそそぐ水路の内水の排水が追い付かずあふれた水で床下浸水した。

市島地域では竹田地区(樽井、才田、水西)で多くの床上浸水被害が出た。同町中竹田を流れる市ノ貝川では、国道175号にかかる新高坂橋近くの橋で両岸の護岸が20㍍ほどに渡って崩れた。さらに田んぼの土手も大きくえぐった。4年前の丹波市豪雨災害の後、護岸工事が施された場所。

柏原地域では鴨野で床下浸水が相次いだ。青垣では佐治川護岸が一部削られた影響で、中学生の通学路を一部変更した。
市内の小学校は6日、午後零時半から4時までに引き渡しや一斉下校を行い、中学校は午後1時半までに一斉下校した。

関連記事