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水路落ちたカエル救え! 高校生が脱出策考案中/兵庫・篠山市

写真・「水路に落ちたカエルを救ってやりたい」。カエルにも農家にもやさしい水路の開発に乗り出した生徒たち=2018年8月2日午後零時12分、兵庫県篠山市福住で

 兵庫県篠山市で「生きものがすみやすい農村づくり」をテーマに掲げて活動している篠山東雲高校の自然科学部が、カエルが脱出しやすく、農業の妨げにもならない水路の開発に立ち上がった。

 大部分の水田の周りには、垂直に切り立ったコンクリート製の水路が設置されているが、トノサマガエルやツチガエルなど手足に吸盤のない種は、一度、水路に落ちると壁をよじ登って脱出することが困難なため、そのまま死んでしまうケースが多く見られる。

 そこで同部は、コンクリートブロックを横に3個並べ、縦に2段積み上げて水路を再現。水路の内壁に沿うように、3・5センチ角の木材を45度で取り付け、脱出用のスロープにした。

 実験では、昨年以降に生まれた体長5センチほどのトノサマガエルの成体と、今年生まれの体長2センチほどの幼体を5匹ずつ用意。成体、幼体ごとに水路の中に入れたうえで、人の気配を感じさせないよう少し離れ、10分間で何匹が脱出に成功できるかを見守った。

 生徒たちは、「成体は、ブロック2個分(高さ38センチ)なら持ち前のジャンプ力で脱出できる」「スロープを使って脱出できた幼体は1匹だけ」などと観察したことを話し合い、記録に残していた。

 今後も実験を繰り返してデータの精度を上げるほか、水路に垂れこめた草に見立てた麻ひもを垂らしたり、壁面に階段状の足場を取り付けたりするなどの実験を計画している。良い方策を見出すことができたら市に提言するという。

 同部顧問で日本爬虫両棲類学会会員の田井彰人教諭によると、カエルは、農作物にとっての害虫を含むさまざまな種類の虫やクモを食べる一方で、ヘビや鳥などに食べられるため、食物連鎖の中間的な位置におり、生態系のバランスを維持するためには欠かせない存在という。

 部員の揚田英人君(2年)は、「特にトノサマガエルの幼体が脱出できずに流されて死んでいるのをよく見かける。カエルは生態系を構成する重要な一員なので、守ってやることができたら」と話している。

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