温暖化

2018.08.02
丹波春秋

 東から西に進む前代未聞の台風が過ぎ去った後も、猛暑が続く。テレビ番組で「この異常気温は、今年だけなんでしょうか」とのタレントの真面目顔の質問に、気象予報士が「そうあってほしいと願いますが」と遠慮がちに答えていた。多分そんなことはないだろう。

 中東オマーンでは夜の最低気温が42度を超え、フィンランドやロシアの北極圏でも最高が32―33度を記録した(朝日7月25日号)。スウェーデンでも山火事が続き、ベランダでのバーベキューに禁止令が出たとか。
 
 日経(同24日号)はIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)が10月に公表する特別報告書の内容を伝えた。現状のままでは2040年頃の気温上昇が産業革命前より1・5度に達し猛暑、豪雨、干ばつが増えて陸の生物の減少、絶滅が進む恐れがあるという。

 17年時点ですでに1度上昇しており、1・5度に抑えるには50年までに温暖化ガスの排出を実質ゼロにする必要がある。そのためには産業システムやエネルギー部門の抜本的な変革が求められる。

 SF映画「デイ・アフター・トゥモロー」が警告した「明後日」がじわじわと迫ってきているように感じるのは筆者のみではあるまい。昨冬の北米寒波の時、温暖化をあざけるツイートをしたトランプ氏の感想も聞きたい。(E)

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